2020年からヤギ除草を活用したCSR環境整備
ヒラヰ電計機(株)令和けいはんな事業所様へのヤギレンタル
2019年7月に建設されたヒラヰ電計機(株)「令和けいはんな事業所」は、京都府精華町の美しい丘陵地に位置しています。この地域はかつて棚田地帯であり、豊かな自然環境を有しています。ヒラヰ電計機様はこの自然環境を保全しながら、地域に愛される企業を目指しています。
※ 山林を含む総面積 15,000 ㎡。建屋、敷地部分面積は上記の約半分。
ヤギ除草取り組みの経緯
春には山桜が咲き、夏にはカブトムシやクワガタが活動し、秋には赤とんぼが飛び、冬には美しい雪景色が楽しめる自然豊かな場所ですが、敷地内には雑草と竹が生息するという問題があります。雑草の除草には年間3回以上、1回あたり35万~40万円の高額な費用がかかるため、ヒラヰ電計機株式会社様は企業の社会的責任(CSR)の観点からヤギによる除草を導入しました。
ヤギ除草取り組みの開始時期
ヒラヰ電計機様は2020年12月からヤギを利用した除草作業を開始しました。
ヤギ除草取り組みの主な目的
- 社屋周辺の斜面の雑草を効果的に駆除するため
- 草刈り機などの燃料使用を削減し、野生動物や昆虫への影響を最小限に抑えるため
- 地元の皆様に当社の取り組みを知っていただき、持続可能な除草効果を期待するため
- かつて棚田地帯だった里山の風景を再生するため
- 除草作業にかかる経費を削減するため
ヤギレンタルはヤギを使ったエコ除草をご提案しています。機械や焼却処理などが不要で、土地が牧草化するので、雑草の背丈が一定に保たれる美しい景観を保ちます。
地域創生=持続可能な町づくり、地域への貢献、ヤギ除草による環境への配慮。
将来的には里山風景の再生と、精華町の魅力を訴求できる一助となり、地域への貢献を継続したい。
波及性=弊社からレンタルさせていただいたヤギを利用。地域企業との繋がりと、ヤギ除草の波及効果を狙う。地域連携や将来的にはヤギを通じて子供たち、高齢者の癒しの場を作る事も検討したい。
ヤギ除草について、ヒラヰ電計機様からのVOICE
Q、ヤギ除草を導入してから現在までの経緯について、詳しく教えて頂けませんか?
2020年11月に1ヶ月のお試しレンタルを実施しました。1ヶ月間でも十分な除草効果が得られたため、年間契約を決定しました。最初は番いの2匹のヤギで始め、2021年1月には子ヤギ2匹も加わり、家族での除草作業が開始されました。
2020年11月
雑草の勢いは収まりましたが、セイタカアワダチソウ、チガヤ、イグサなどの雑草が160cm以上に成長し、敷地内は雑草の海となり、階段も草で埋もれるほどでした。
2020年11月
番いのヤギ2匹を導入し、初日の雑草の様子でした。
2020年12月
手前の草のない部分は、ヤギたちが食べ進めて雑草がなくなった部分です。
実施開始から2週間ほどで、斜面の角度が約30度と人力ではこの法面の昇降が難しい箇所も、ヤギはどんな斜面でも問題なく除草してくれます。
2021年1月
子ヤギ2匹も参加し、家族での除草作業が開始されました。
2024年3月現在
現在、除草3年目を迎えていますが、人間は一度も草刈りをしていません。夏草を食べてくれたおかげで、冬の法面は美観を保っています。
Q、ヤギ導入による具体的な効果について教えていただけますか?
ヤギを導入してから、雑草が減少し、アレルゲンとなる花粉やマダニ、虫の死骸などが低減しました。また、ヘビ、イタチ、タヌキ、モグラの減少が見られ、イノシシも現れにくくなりました。ガソリンなどの燃料を使わないため、機械による騒音も抑えることができました。さらに、除草費用の低減も期待できます。 2024年3月現在、除草3年目を迎えましたが、人間は一度も草刈りをしておらず、ヤギが夏草を食べてくれたおかげで冬の法面は美観を保っています。
ヒラヰ電計機様 今後の活動の紹介
ヤギの飼養
ヒラヰ電計機様は、持続可能な社会を目指し、地域環境への貢献に力を注いでいる企業です。特に、ヤギによる除草の取り組みはその象徴的な活動の一つです。
現在、ヤギの飼養は取締役会が担当していますが、将来的には社員全体での取り組みとして展開する予定です。このようなヤギ除草の活動は、地域環境への貢献として継続されており、事業所の位置する土地の特性を活かした里山再生の一環としても環境整備を進めています。
「失われつつある懐かしい風景を残したい」という理念のもと、ヒラヰ電計機様はタケノコ狩り、虫取り、ビオトープの設置による生態系の観察、既設の家庭菜園のさらなる展開、獣害への対策など、多岐にわたる活動を行っています。開かれた事業所として、地域の方々や社会全体への貢献を目標に、地域創生に向けた持続可能な町づくりを推進しています。